オーラルプロバイオティクスに口臭治療効果はあるのか?

ここでは、オーラルプロバイオティクスが口臭を改善するために効果的なのかを検証します。
まず、オーラルプロバイオティクスというものはオーラルバイオティクスとも呼ばれ、簡単に言うと口内環境を整えるためのもの、です。

プロバイオティクスは腸内環境を良くするためのもので、乳酸菌でもおなじみですので何となく分かると思います。
その口内環境版となるのがこのオーラルプロバイオティクです。日本では口径プロバイオティクとも言われています。

大抵のオーラルプロバイオティクはチュアブルタイプ、つまり舐めるタイプであり、舐めるだけでお口の健康を保てるというコンセプトになっています。
今回は一製品のレビューでは無く、このオーラルプロバイオティク自体がどれくらい口臭に効果があるのかを考えてみたいと思います。

まずは、このオーラルプロバイオティクの話と関係してくる菌交代現象についてお話します。

菌交代現象と口臭の関係

オキシドールやクロルヘキシジン、高濃度のエタノール洗口液等を口腔内のクリーニングに使用している場合に関係してくる問題です。

口臭を気にするあまりに上記のような非常に殺菌力の強い洗口液を使っている人もいるようです。

現在、当方ではどの方法もお勧めはしていません。
特にクロルヘキシジン洗口液に関しては、問題の多いうがい薬ですので慎重に使用することを推奨致します。
(日本では手に入らないので、使っている人もあまりいないとは思いますが。)

仮にオキシドールやクロルヘキシジン、エタノールのような殺菌力の強い薬品を使い続けたとして、口腔内にどのような変化が起きるのか?

まずは菌交代現象について解説をして、その後にオーラルバイオティクスとの関連についてお話していきます。

菌交代現象について

菌交代現象とは生体において正常菌叢の減少などにより通常では存在しない、あるいは少数しか存在しない菌が異常に増殖を起こし、正常菌叢が乱れる現象のことです。

噛み砕いて説明しますと、何らかの要因によって体内の菌バランスが異常をおこしている状態、ということです。

この菌バランスの異常を起こしやすい例として、抗生物質があります。

抗菌範囲の広い抗生物質を使用した場合には善玉菌、悪玉菌、日和見菌等、様々な菌を一気に殺してしまいます。

腸内、口腔内等、それぞれの部位に適切な細菌が住みついており、細菌が住める数、スペースは決まっているのです。

この数、スペースを仮に100とした場合に、おおまかに善玉菌が40、日和見菌が40、悪玉菌が20で計100あったとしましょう。

ここに抗生物質を投与するとそれぞれの菌が死滅します。

仮に善玉菌が20、日和見菌が30、悪玉菌が10になって計60になったとしましょう。
(ちなみに口内ではこの間は口臭要因となる細菌も減少しているため、口臭も驚くほど無くなります。)

ここで空白のスペース40がある訳ですが、このスペースを獲得するためにそれぞれの菌が激しく縄張り争いを始めます。

その結果、極端ではありますが善玉菌は一切縄張りを増やせず20のままで日和見菌が40、悪玉菌が40に増えて計100に戻ったと仮定します。
(分かりやすく大まかに説明しています。通常、このようなことはありえないです。)

菌の種類や割合は変わってしまう可能性がありますが、必ず菌の数は100に戻ります。
この戻る過程で菌バランスが変わってしまうことを菌交代現象と言います。

菌交代現象により口臭が悪化する?

上の例では善玉菌が減って悪玉菌が増加していますので、抗生物質によって細菌バランスが悪い方に傾いてしまったと言えます。
仮に上記の細菌バランス変化が口腔内で起こっているとするならば、口臭が悪化する恐れがあると言えるでしょう。

実際には多少抗生物質を飲んだ程度では最終的な細菌バランスが変わる可能性は低いので時間が経過するごとに元の口内環境に戻ることがほとんどだとは思いますが、可能性としては口臭悪化もあり得るのです。

また、抗生物質による菌交代現象は、主に小腸上部では腸球菌、乳酸菌が増えて小腸では大腸菌、大腸では大腸菌、グラム陰性菌が増えるとされています。

腸内環境も口臭と密接に関係しているので、これも口臭に結びついていると考えられます。

うがい薬による菌交代現象

また、菌交代現象は抗生物質によるものだけではありません。

うがい薬として使用されているオーラルリンス等で口腔内の菌交代が起こる可能性があります。
抗真菌剤のファンギゾンシロップや冒頭で述べた強い殺菌作用のあるエタノール、オキシドール、イソジン、クロルヘキシジン洗口液等では菌交代現象が起こる可能性があります。

このなかでも0.2%のクロルヘキシジン洗口液の場合には高い確率で黒毛舌(こくもうぜつ)になることから菌交代症が著しいと考えられます。

→クロルヘキシジン洗口液のレビューはこちら

黒毛舌とは舌の糸状乳頭が角質増生により著しく延長し、舌に毛が生えたように見える状態を毛舌といいますが、その毛舌が黒色に着色されているものを黒毛舌といいます。
黒毛舌自体には特に大きな問題はないとされていますが、主にカンジダ菌の異常増殖によって起こるとされています。

クロルヘキシジンは細菌の殺菌には有効ですが一部の真菌を除いては真菌類には効果が少ないとされているため、殺菌によって空白となった口腔スペースでカンジダ菌が増殖するために起こる現象と考えられます。

このように、口腔内クリーニング時には殺菌による菌交代の可能性を考慮する必要があります。
殺菌によって空いたスペースにいかに善玉菌を増やすことが出来るかがポイントとなります。

そこで重要なポイントとなるものがオーラルバイオティクスです。

オーラルプロバイオティクスとは?

プロバイオティクスについてはご存じでしょうか?
簡単に言うと、プロバイオティクスは腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるためのもの、です。

オーラルバイオティクスというのは口内環境を整えることに特化したプロバイオティクスです。

K12菌が口臭を抑制する

ニュージーランドのオタゴ国立大学が口腔内細菌の研究で、口腔内にのみ存在する善玉菌K12菌が世界で初めて発見されました。
研究を進めるにつれて口や喉、扁桃に住む善玉菌、ストレプトコッカス・サリバリウス・K12菌が少ないと口臭発生の大きな要因となることが分かりました。

K12菌が口臭の病原体を抑制し、耳からの感染や扁桃炎などの病原体を抑制することも分かってきました。

この善玉菌K12菌を摂取することで口内環境を整える手助けとなると言えます。

口臭治療医院の権威であるほんだ歯科でも導入

口臭治療の権威である、ほんだ歯科の本田先生もこのサリバリウスK12菌を配合しているプロバイオティクスタブレットのプロデュース、開発に携わっています。

実際にほんだ歯科の口臭治療ではプロバイオティクスタブレットを取り入れています。

口腔内をマウスウォッシュにて殺菌した上でこのオーラルプロバイオティクを取り入れて、口臭を抑制するサリバリウスk12菌を口腔内に定着させる。

その結果、根本から口臭を無くそう、という治療法です。

実際にほんだ歯科やその系列の口臭治療医院ではプロフレッシュによって口腔内環境を安定させて、プロバイオティクスタブレットでサリバリウスk12菌を定着させる、という治療法をとっているようです。

オーラルプロバイオティクスは口臭に効かない?

このオーラルバイオティクスだけでは口臭改善、ましてや口臭治療はかなり難しいケースも多いようです。

なぜなら、ほんだ歯科のAktiv-K12システムの治療を受けたが口臭が改善しなかったという報告が以前から当方に寄せられているためです。

私が口臭に悩む人の相談にのり始めたのが2007年のことです。
その当時は口臭に関する情報というものは非常に少なくて、その中でもすでに口臭治療の第一人者であるほんだ歯科は有名でした。
ほんだ歯科やその系列の口臭治療医院に通っていた人はかなり多いのです。

そして、ほんだ歯科で提供されていた口臭治療法がAktiv-K12システムというものです。
これは2015年からはタブレット、つまり舐めて溶かすタイプに変更になっていますが、私の記憶が正しければそれまでは液体による口径投与だったと思います。

値段もタブレットの頃よりも高価であり、若干敷居が高い治療法でした。
その治療法を受けても口臭が改善しなかった、治らなかったという相談をいくつも受けていましたから私としてはオーラルプロバイオティクスだけでの口臭治療は困難と考えています。

オーラルプロバイオティクスが口臭に効果が限定的な理由

なぜ、オーラルプロバイオティクスの効果が限定的になるのか。

内蔵由来の口臭には効果がないから

第一の理由は、内蔵由来の口臭には効果がないことが挙げられます。
口臭は大きく分けると、口腔内の問題、内蔵の問題の2種類に分けられます。

口腔内の問題がおおよそ8割以上を占めますが、2割弱は内蔵を起因とする口臭要因と言われています。

オーラルプロバイオティクスは口内環境を整えるものですので、内蔵を起因とする口臭には効果がありません。

口臭原因となる口腔内は範囲が広いから

第2の理由は口臭の原因となっている細菌が口腔内の奥に潜んでいる可能性があるから、です。

口内の浅い部分だけに口臭原因となる細菌がいる場合には特に問題なくこの治療法は効果を発揮するでしょう。

しかし、口臭の原因となり得る口腔内というのはかなり範囲が広いです。

鼻や耳、喉、扁桃も含まれます。

これら全てをしっかりと殺菌した上で善玉菌、つまりサリバリウスk12菌をしっかりと定着させることはかなり難しいのです。

特に喉や扁桃、鼻は非常に複雑な構造をしていますから、そのような部位に口臭原因となる細菌がいる場合には表面的な治療ではどうにもできないというのが実情です。

ですので、上咽頭炎であったり、鼻炎であったりと何かしらの炎症を喉や鼻に自覚している場合には、この方法だけで口臭を改善させるのは難しいと考えて下さい。

オーラルプロバイオティクスのまとめ

私はオーラルプロバイオティクスに批判的な訳ではありません。

オーラルプロバイオティクスは会員サイトでもお勧めしていますし、むしろ推奨しているくらいです。
(それぞれのオーラルプロバイオティクスの製品に関するレビューは別途致します。)

オーラルプロバイオティクスは一般的なレベルの口臭や生理的な口臭で悩んでいる人には効果があります。
実際にある製品では寝る前にオーラルプロバイオティクを摂取すると次の日に口の中が粘つかないという人もいます。

サリバリウスK12菌が口腔内環境に良いものであることは事実ですし、口腔内クリーニングの後の補助として使用すること自体は私も推奨しています。

ただし、これだけで口臭にそれなりに長い期間悩んでいる人が口臭を改善出来るかというと正直、難しい!というだけ、です。

口臭レベルが高い場合には口内環境を整えるタブレットを口に含んだくらいでは口臭が改善しないのです。
自分の口臭原因はどこにあるのか、細菌はどこに潜んでいるのか、体の中なのか、扁桃?舌?鼻?

あらゆる可能性がありますし、口臭が酷いケースほど、表面ではなく奥の方に口臭要因が潜んでいることが多いです。

ですので、まずそれらの根本的な口臭要因をある程度解決してからこのオーラルプロバイオティクスを摂取するべきなのです。

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