口がカラカラになる、という経験は誰にもあると思います。
しかし、この口の中の乾燥が口臭の原因になっているかもしれません。
この口内の乾燥をドライマウスと言います。
ドライマウスとは唾液の量が減少することによって起こる口の中の乾燥感のことです。
※ドライマウスによって舌が乾燥している
ドライマウス自体は特別な病気という訳では無く、誰にでも起こりうる身近な症状です。
ドライマウスになると唾液の分泌が減り細菌の繁殖を抑制出来なくなるため歯垢が付着しやすくなります。
そのため、歯石や歯肉炎にもなりやすくなりますので、口臭の原因になりやすい症状と言えます。
ドライマウスになる原因
ドライマウスになってしまう要因はたくさんあります。
ドライマウスは日本語では口腔乾燥症とも呼ばれており、男性よりも女性に多い症状です。
男女比率はだいたい2:8で8割は女性です。
以下、ドライマウスの要因をそれぞれ見ていきましょう。
1つ目:加齢によるもの
年齢を重ねるごとに口内の唾液の分泌が悪くなっていき乾燥しやすくなり、ドライマウスにもなりやすくなります。
ドライマウスに悩んで病院を受診される年代は主に50代~60代であり、若い世代では非常に割合が少なくなります。
高齢になるにつれて更年期障害になる可能性もあり、これもドライマウスの要因となっていいます。
中高年の方で生活環境は何も変わってないのに口臭が気になるようになったという場合には
ドライマウスの可能性がありますので注意です。
2つ目:生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れてしまうと唾液の分泌は減少します。
喫煙は交感神経が刺激されて唾液が減少しますし、アルコールは利尿作用により口が乾きやすくなります。
たくさんお酒を飲んでそのまま寝てしまうと次の日の朝は口の中がカラッカラになっていることがあると思いますが、
これはアルコールに利尿作用があり体が脱水状態になっているため、です。
また、過剰なダイエットや寝不足等、体調不良があると自律神経が乱れて、ドライマウスになりやすくなります。
3つ目:薬の副作用によるもの
病院で処方される薬やドラッグストアで購入出来る薬には、ドライマウスを引き起こすものが数多くあります。
非常に身近な例としては、花粉症や鼻炎の薬があげられます。
他にも一部の抗生物質や高血圧の薬、精神安定剤等はドライマウスを引き起こしやすいです。
これらの薬以外でも副作用として口腔内乾燥が高い確率で記載されています。
それくらいドライマウスは薬の副作用としてメジャーなものなので、
何か薬を服用した後には口の中が乾いていないか、どれくらい乾燥しているかをチェックしてみるようにして下さい。
4つ目:精神的なストレスによるもの
精神的なストレスを受けると一時的に自律神経が乱れてしまい、
唾液の分泌も抑制されてドライマウスになります。
例えば、重要な面接や試験、先生や上司、親に怒られた時、
様々な状況で精神的なストレスを受けるケースがあります。
この時に心臓がドキドキしたり口の中が乾いたりしているのは自律神経が乱れているからです。
大きなストレスがかかると一瞬で口の中が乾いてドライマウスになってしまい口臭が発生します。
このストレスによるドライマウスは誰にでも起こりうるものですので、注意が必要です。
5つ目:シェーグレン症候群によるもの
この病気は涙腺からの涙の分泌や唾液腺からの唾液分泌などが障害される自己免疫疾患の一種で難病指定されております。
40代~60代くらいの女性が発症することが多く、男女比率は1:14で女性が圧倒的に多いです。
唾液の分泌がかなり阻害されますので、酷いドライマウスを伴うことがあります。
6つ目:口呼吸によるもの
鼻呼吸ではなく口呼吸を良くする場合にはドライマウスになりやすいです。
空気が直接、口に入ってきて乾燥するからです。
自分では知らない間に口がぽかーんと開いてしまって口呼吸をしているケースも多いです。
また、寝ている間に自然と口呼吸になってしまってドライマウスになることもあります。
ドライマウスかどうかをチェックする方法
口の中がカラカラになることがある、口がネバネバするというだけではドライマウスかどうか判断がつきにくいと思います。
ここでは自分がドライマウスかどうかを簡単にチェック出来る方法を紹介します。
これらのチェックで心当たりが多いほど、ドライマウスの可能性が高いです。
水分の少ない食べ物は飲み物無しで食べられない
パンや水分の少ない食べ物を食べると
口の中がぱさついて食べにくい、飲み込めないという場合には注意です。
正常な状態ならば口の中から大量に唾液が分泌されて
水分の少ない食べ物も問題無く飲み込むことが出来ます。
すぐに唾液を分泌させることが出来ない
今すぐに唾液を分泌させることは出来ますか?
試しに、今、舌をぐるぐる回してみて下さい。
前歯をなぞるように大きくグルグル回してみて下さいね。
これを左右10回ぐらいやると舌がかなり疲れると同時に大量の唾液が出てきます。
この運動をやっても飲み込むくらいの唾液が出ない場合には要注意です。
口の中が乾いて痛くなり会話がし難くなる
酷いドライマウスになると口の中、特に舌に問題が出やすくなります。
舌に亀裂が出来たり、舌苔が出来やすくなったり、またカンジダ菌が増えることで痛みが出るケースもあります。
上記のような症状に加えて会話もしづらいとなると、かなり口の中が乾燥していると言えます。
以上の方法でドライマウスかもと心当たりがある方は次のチェック方法でドライマウスかを
もっと詳しく調べることが出来ます。
ガム試験方法
- ガムを10分間噛む
- メスシリンダーか無い場合にはコップに唾液を貯めていく。
- 溜まった唾液の量を計測する
ガムの種類は問いませんが、基本的に糖分が無いものが良いのでキシリトール配合のシュガーレスガムが良いと思います。
メスシリンダーがあればメモリが付いているので問題ないですがコップの場合には重さを始めに計測しておく必要があります。
空のコップの重さを計り、ガムを10分間噛んでいる間に出てくる唾液を全てコップの中に貯めて、
唾液が貯まったコップの重さを計測します。
唾液の入ったコップの重さ - 空のコップの重さ =10分間の刺激唾液の分泌量
10分間の刺激唾液(ガムを噛んで分泌された唾液)の分泌量が10g以下の場合はドライマウスの可能性があります。
ただ、体調や精神状態によって差が出てきますので、何度か計測してみて下さい。
毎回、10gに満たない、半分にも満たないことがあるという場合には反射唾液の分泌がかなり悪くドライマウスの可能性が高いです。