扁桃の炎症によって口臭が発生している場合に
最も簡単にこれを解消する方法として扁桃の除去(摘出)を考える人もいます。
実際に私のところにも扁桃の摘出術についての相談は
多数寄せられます。
それでは、扁桃の摘出方法について具体的に説明していき、
適応となる症状、その費用や術後の経過、口臭への有効性について解説したいと思います。
扁桃の摘出はオペが必要
扁桃は簡単に着脱出来るようなものではないので(苦笑)、
手術をして切り取る、ということになります。
そこまで難しい手術ではありませんが、
体の一部を切り取る訳ですから全身麻酔をした上での手術となります。
これを聞くと結構大掛かりなんだなと思うかもしれませんが、
実際その通りでして結構大掛かりなんです。
参考までに以下、扁桃摘出術の手術動画です。(グロいのが苦手な人は閲覧注意です。)
事前の検査や術後経過の確認等もあり、1週間~2週間の入院期間を取ることが多く、
日帰りでお手軽に、という訳にはいかないです。
費用はおおよそですが20万円~40万円程度です。
(入院期間や個室か相部屋か等で変わってきます。)
手術等の費用が10万円を超える場合には負担額を減らしてもらえる高額医療費制度があり、
自己負担は10万円~20万円程度を見ておけば問題ないでしょう。
(地域や病院によって料金は変わりますので詳細は病院で確認して下さいね。)
決して安い金額では無いし、入院も必要となりますので
扁桃の除去はそれなりの覚悟が必要です。
扁桃の摘出手術は痛い?術後は?
扁桃の切除手術は全身麻酔ですので、手術自体は全く痛くないです。
手術室に連れて行かれて麻酔で眠らされて、次に目を覚ました時には手術は終わっています。
ただし、手術後が問題です。
術後、しばらくすると麻酔が切れますので、喉が痛み出します。
扁桃を除去している訳ですから、かなりの痛みに襲われるようです。
まあ、上記の動画を見てもらえれば、少なくとも術後に全く痛くないってことは無いことが分かってもらえると思います。(苦笑)
私が今まで聞いた話では想像を絶する痛みのようです。
喉の両側にゴルフボールくらいの口内炎が出来ているようなもの、らしいです。
特に食べ物を飲み込むことが出来ないし、唾を飲み込むのですら痛くてそれが辛い、とのことでした。
また、熱が出ることもあるようで術後1週間まではとにかく手術したことを後悔した、と。
その人は2ヶ月に一度くらいの頻度で急性扁桃炎になっていて高熱を出していたので、
退院後はやっぱり取って良かったと思ったみたいですがとにかく術後暫くは地獄のように辛かった、らしいです。
費用面、入院の期間、術後の辛さ等から扁桃の除去にはそうとうの覚悟が必要、ということが分かると思います。
ただ、口臭にめちゃめちゃ悩んでいるからどうしても扁桃を取りたい!
という場合でも、扁桃の除去を認めれるのかという問題があります。
口臭や臭い玉は扁桃摘出の対象となるか?
手術をする訳ですから、医者としても慎重な対応が求められます。
扁桃は摘出してもその後問題なく生活が出来ますが、本来は免疫を司る部位ですので、
理由もなく取ってしまうのはリスクになるのではとの懸念があるようです。
そのため、口臭を訴えて扁桃の除去手術をお願いしても
高い確率で医者に拒否されてしまいます。
そもそも扁桃摘出の対応となるのはどのような症状でしょうか?
扁桃の摘出対象となる病気や症状
基本的に扁桃炎は扁桃摘出、除去の対象となりますが、
ポイントとなるのは高熱が頻繁に出るか、喉の痛みが酷いかがポイントになります。
目安としては
年間で3~4回以上、高熱が出る場合や
喉の痛みが酷くて日常生活に支障が出る場合、
扁桃除去を医者から勧められることが多いです。
実際に急性扁桃炎で悩む人は39℃以上の高熱が何度も発生してしまい、
また、喉の痛み自体も酷いため、とても辛い思いをします。
また、病巣性扁桃炎の場合も扁桃の摘出を勧められる場合があります。
これは、扁桃が病巣となって(自覚症状は全く無いことが多い)、IgA腎症、急性腎炎などの腎疾患、掌蹠膿疱症などの皮膚疾患、慢性関節リウマチ等を引き起こすケースです。
特に腎臓は扁桃との関係が密接でありIgA腎症は扁桃摘出によって融解(簡単に言うと治る)するケースも多く認められています。
もう1つは扁桃が極端に肥大している等のケースも摘出対象となる場合があります。
特に扁桃炎の症状が無い場合でも睡眠時無呼吸症候群に陥りやすい等、生活上の問題が出るケースもあるからです。
- 年間で3~4回以上、高熱が出る場合や喉の痛みが酷くて日常生活に支障が出る場合の扁桃炎
- IgA腎症等を伴う自覚症状が出ない病巣性扁桃炎
- 扁桃が極端に肥大している等の扁桃自体の問題
このような場合には、扁桃を除去することによって熱や喉の痛みから
開放される、持病が融解する等の可能性があり、手術の対象となるのです。
口臭治療を目的としての扁桃摘出は可能か?
結論から言うと、難しいです。
隠れ扁桃炎のように膿が出て口臭を発生させているけれど、
熱は出ても微熱程度だし喉自体が酷く痛む訳でも無い、という場合には手術を勧める医者はほとんどいません。
このようなケースで手術出来るケースは稀と考えた方が良いです。
その稀なケースを1つ紹介すると、当方への相談者の方でどうしても扁桃を除去したくて
口臭が酷くて酷くて辛いということを医者に訴えて手術して扁桃を除去されたというケースがあります。
その方はたくさんの病院を回って、何とか手術してくれる医者を
探したと言っていました。
多くの医者に断られたようですが、いくつも病院を回って
ようやく手術をしてくれる医者を見つけることが出来たのです。
それくらい口臭を理由として扁桃を除去することは難しい、
ということです。
口臭自体は病気や疾患では無いですし、扁桃が口臭の原因かを
医者が判断することが難しい、手術や術後のリスクを考慮すると口臭を手術理由とすることに理解を示せない等が理由だと思います。
なので、扁桃の手術を検討している場合には喉の痛みがある、
すぐに下がるけど高熱が出ることがある等、
何かしらの症状を訴えるようにした方が良いです。
もちろん嘘は駄目なので、喉がちょっと痛いなーといった
体の小さなサインを見逃さないようにして、それを医者に訴えましょう。
扁桃に関係する症状が出ている上で強く扁桃の除去を望んでいることを訴えれば、
手術を了承してくれる医者も見つかりやすいと思います。
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